人気ブログランキング | 話題のタグを見る

アガサ・クリスティー ゼロ時間へ

「あの子が犯人だとわかっても、私は驚かないね。」
「おびえた様子だったとか?」
「いや、ちがう。偉そうな態度だったよ!
落ち着き払って偉そうな態度。
警察署で何百回も見てきた顔つきだ!
泥棒はあの子だと、大金を賭けてもいいぐらいだ・・
もっともあの子が、自分から罪をみとめることはないだろうが・・
それはない!」

バトル刑事の娘さんの学校で、万引き多発。
娘さんは疑いをかけられて
無実なのになんと、私がやりましたといってしまう。
上の会話は、ゼロ時間へのなかでの、
娘さんを学校に引き取りにいったバトル警視と娘さんの会話。
アガサ・クリスティーの小説の醍醐味は、トリックだけでなく、
こんな会話での人物描写にもある。

東大のドトールで公開講座の日に、
私の背中腰上をスーッと触った小柄なオヤジは、
ゴゲ茶系ジャンパーにベージュっぽい白いズボン、
150センチないとおもう。全体的に小ずくり。
おととし冬に、巣鴨通り商店街で背中を触った親父と似ている。
触った場所が同じというのもある。
私がびっくりして睨むと、やけに澄ましこんだ顔で、そ知らぬふりをしていた。
巣鴨は豊島区?
東大は文京区だ。
警察に捕まらないように、区を変えて、出没しているのか。

犯罪者は決して、おびえた顔はしないのだろう。
そんな出来事に出くわしたときに、アガサ・クリスティーの小説を思い出すのだ。

私は、万引きをした人を目撃したことがあるが、
いかにも、分別臭い、そして目立たない恰好をしている。
そして、たしかに、堂々と万引きをする。
それが万引きではないと、錯覚するぐらいに。


アガサ・クリスティー ゼロ時間へ_a0170046_20525120.jpg


ミスター・トレーヴは、ぼんやりした口調で言った。
「あの頭の形はおもしろいな・・
頭頂部から首にかけての角度が珍しい・・
髪型で目立たなくなっているが、いあ、実に珍しい。」
さらにぼんやりした口調になって彼は言った。
「あのような頭の人物は前にも見たことがあるが、
その男は宝石商の老人に暴行を加えて
懲役10年の刑を受けた。」
その後、トレーヴ氏は、疑わしい病死をする。

犯罪学という言葉を、クリスティーの本で知ったが、
犯罪学や、脳の研究は、遺伝子研究のように、
興味深い分野だと思う。

人気ブログランキングへ

by yamatokodou | 2010-10-21 21:21 | 知の水脈 観る 読む
line

学力をつける食事         パワースポット参拝散歩


by yamatokodou
line