ゴッホと宮沢賢治

前に、このブログで紹介したのですが、天才という本があります。
この本は、昔の新書らしい生真面目さがあって、私にとっては、教養の指導基本書
のような役割を果たしてくれています。
a0170046_11414695.jpg


もう一冊この方の新書を持っていたのですが、それは、手放してしまったようです。
それに、ピカソのことが書かれていたので、今になって残念です。

それはそれとして、この二つの絵
a0170046_11155474.jpg

天才の著者福島章氏は、この二つに、共通性を見ている。
ゴッホのうねるような空間と、賢治の炭火の熾き火が瞬くような画面空間に、
共通性を探すとすれば、
多分それは、画面がうねっている(ゴッホ) 瞬いているという、
生き物のように景色が蠢いていることだろうと思う。
私がゴッホに興味があるのは、私が心和むプルシャンブルー的青を
彼の夜を描く絵から、たくさん掬い取れる、
つまり私にとっての心和みを掬い取れるからだと思う。
a0170046_11173315.jpg


福島氏は、賢治とゴッホ 賢治とゲーテ 賢治と空海を比較していて
とても興味深い。

ゴッホと賢治の共通点は、病気を、それぞれ持っていたことでもある。
ゴッホは、精神発作といわれる癲癇、
賢治は、肺病である。
肺病とは、微熱が続き、性欲が強くなったりすると、聞いたこともある。

賢治の瞬くような画面は、岩崎ちひろさんの絵にもある。
私は小さい頃よく熱を出して、微熱がとれなかった。
そのときの不快感を思い出すので、賢治と岩崎ちひろの絵は、見たいと思わない。
いまでも、好きではない。

ゴッホの絵は、星空の絵が好きだ。
セザンヌの静物画は、部屋にあってもよいと思う。
ピカソの絵にも、飾りたいと思う絵はある。

ともあれ、ゴッホと賢治
病気が、天才の想像力に及ぼす影響を考えるのも、
尽きない好奇心を、楽しませてくれる。

これは、オルセーで観た、ゴッホの作品。
他は、絵葉書とビラや、ネットから撮ってみた。
この絵は、とてもきれいな挿絵のような、箱庭のような癒しにあふれている。
ゴッホ というdvdがある。
1990年今から20年前の作品。
オランダ、フランス、イギリスの協力でつくったというもの。
この部屋と同じ部屋の場面に、描き上がったひまわりの絵がおいてあって、
ゴーギャンが、ゴッホのもとへきたときに、それを一瞥して無視した場面が、印象に残っている。
ゴッホについては、もう1本カーク・ダグラス主演1956年の作品があって、
それは観ていない。
アメリカンコーヒー風のゴッホではないかという偏見が、私にあって、
でも、発掘品クラスの古さだから、そのうちに、見てみようと思う。
a0170046_11334333.jpg
 

ゴッホというdvdでは、ゴッホがピストル自殺を試みる場面も撮られている。
ゴッホの揺らめくような景色は、実際にゴッホにとって、そのように見えていたのではないかと、
私は思っている。
技法ではなく。
揺らめくような景色とは、星降る夜、聖月夜、燃える炎のような糸杉の1連の絵、
生命力がやはり炎のようにあふれ出るひまわりの絵など。
天才の資質と、癲癇発作の前兆のような病状が、
あのような不思議な画面を生み出したのではないか。

天才と、あちらの世界に行きっきりの人の違いは、
天才は、紙一重のあちらとこちらを行き来し、
こちらの世界の人間に不快感を与えない表現方法で
物事を表現できること 
これに近いことを、福島氏は主張されているが、
私も同感である。
a0170046_11565510.jpg

dvdのゴッホを演じた俳優さんは、ほんとに、
この絵によく似ていた。

ピストル自殺する場面のゴッホは、
あちらの世界に引き込まれ戻ってこれなくなりそうな恐怖が、
自殺未遂を引き起こしたのではないかと思わせる
場面であった。

最後に、宮沢賢治の詩から
(天才で引用されている)

もう冗談でなくなった
画かきどものすさまじい幽霊が
すばやくそこらをはせぬけるし
雲はみんなリチウムの赤い炎をあげる
それからけわしいひかりのゆきき
くさはみな褐草類にかわられた
こここそわびしい雪の焼け野原
風のヂグザグや黄いろの渦
そらがせはしくひるがえる

ゴッホも、賢治とはまた別の
このような不思議な世界に現実が揺らめいていくのを
必死に画に写しとったのではないか
そのように、思う。

ピストル自殺未遂は、「冗談ではない」状態が、もっと危険な状態になり、
恐怖か、拒否から引き起こされたのではないか
そのように、今は、推測している。

人気ブログランキングへ
[PR]

by yamatokodou | 2010-08-17 12:20 | 知の水脈 観る 読む
line

学力をつける食事         パワースポット参拝散歩


by yamatokodou
line